週刊オブイェクト (Объект)

2012年10月に普天間基地への配備される予定のオスプレイですが、4月11日にモロッコでMV-22(海兵隊仕様)が墜落、6月13日にフロリダでCV-22(空軍仕様)が墜落しました。 事故が2回続いた事で安全性を懸念する声が出るのは仕方がないですが、問題となるのはその内容です。事故が2回起きたというだけなら、日本の海上自衛隊のSH-60J対潜ヘリコプターも今年の2月8日に横転大破、4月15日に墜落と重大事故が連続していますが、パイロットの操縦ミスが原因であり、機体の欠陥などではないとされています。オスプレイについても現時点では機体の問題は発見されておらず、パイロットの操縦ミスの可能性が高いとされています。 ◯ モロッコの事故は経験の浅い操縦士が機体の速度が遅いまま転換飛行を試みる操縦マニュアル違反を犯し、機首下げ状態で追い風の中、失速した。 ◯ フロリダの事故は前方の僚機との距離が近過ぎた事で僚機の出す乱流に巻き込まれた可能性があり、250フィート離れるという操縦マニュアルに違反していた。。。かもしれない。 この二つの事故を入れたオスプレイの実戦配備以後の事故件数は、MV-22がクラスA事故2件(うち墜落1回)、CV-22がクラスA事故3件(うち墜落2回)、計5件です。総飛行時間についてはMV-22が11万5千時間、CV-22が2,2266時間(2012年6月15日時点)で、MV-22とCV-22を合わせて約13万7千飛行時間です。ここからオスプレイの事故率は10万飛行時間あたり約3.65件となります。最近10年の軍用ヘリコプターの事故率の平均が10万飛行時間あたり2~3件なので、若干悪い程度です。海兵隊に限れば、MV-22は2件未満で、平均以下です。